masashiriのブログ

垂れ流し

20代泣きの1冊…シリウスの道

 

「みなさん、こんばんは。DJのマサシリです。今夜のミュージックナイト、テーマは泣きの1曲。みなさんからのハガキが多くて、2時間スペシャルでも紹介しきれないと今からスタッフが泣いております。それを見て曲を作るスタッフ、いませんよー笑
くだらない冗談はさておき、テーマに沿った1曲目、毎週恒例ですが、DJの私が決めさせていただいております。いろいろ悩んだんですけどね、泣かない泣きの1曲をイメージして決めました。それではお聞きください。フラワーカンパニーズで深夜高速。」

 

youtu.be

 

 

いつか自分のラジオ番組が持てて、テーマを決めれたら「泣きの1曲」でフラカンをかけたい非モテ28歳です。今月で29歳になります。おじんです。きっと恋愛とお別ればかりを扱った曲になって、僕の嫌いな2時間になるんだろう。どうして、こんなテーマを選んだんだと番組の最後でキレまくる、深夜ラジオのお笑い芸人になってそう。

 

 

はい、夢の話は置いておいて。

最近、仕事が激スランプです。自分の中でハングリー精神がなくなってるから、細かなミスが多いし、それを改善しようという意識が低い。なんなら朝起きたく無いみたいな感もある。ダメだなぁと思いながら、過去を振り返り、月間300時間の残業、内270時間はサービス残業だった数年間を思い出して、あの頃は何であんなに仕事に打ち込めたんだろうと考えていたら、ふと、1冊の古本をもらったことを思い出しました。今日はそんな話を記事にします。
お金があるわけでも無いのに、 ハングリー精神が無いというダメなやつのケツを叩き割るそんな1冊です。

 

「泣きの1冊、20代の部 第1位は藤原伊織シリウスの道です」

 

books.bunshun.jp

 

まずはざっくりと内容紹介です。
直木賞作家の藤原伊織の作品、直木賞受賞作の『テロリストのパラソル』と背景が共通した世界で巻き起こる広告業界をめぐるミステリー小説」であります。主人公+初恋の女+同郷の友人を中心にストーリーは巡り、主人公の上司とのキスシーンがありーの、元裏の世界の人間登場しーの、ミステリー+ハードボイルドの藤原世界炸裂の1作。

 

上司立花の膝枕で眠る主人公辰村、進まない大人の恋は、幼馴染との淡い初恋との対比でより鮮明に映し出される。

 

 

なんだけども、そこじゃ無いんだよなぁ。僕の好きなのはそこじゃ無いんですよ。

 

この小説の最大の魅力は仕事をひたむきに地味に、故に考えながら進めていくところなんですよ。

 

辰村の仕事に対する姿勢が段々と戸塚に伝播していく時間の流れ、最終的に結果が出ない(=ストーリーの本筋とは別)で終わる結末が、正に仕事というものを映していく様になっているんだよね。
仕事に打ち込むという役割を通じて伝わる熱さ、流行りの池井戸小説とは違う血生臭いリアリティがあるんだよね。
仲良くなってから仕事が進むんじゃなくて、仕事へのひたむきさを通じてチームになっていく過程が、実際に起こりそうな事案を通じて進んでいく。恋愛事情については少しやり過ぎなところもあるけどね、いや、羨ましいだけなんだけども笑 

 

この小説は会社に入って1年目の時、月の残業時間が200〜300時間で、かつ9割以上がサービス残業だった時に、一緒に働いていた、というか僕の会社に入ってから最大の恩師にもらった1冊。
その時、恩師はすでにシニア雇用で、趣味の残業で会社の業績に貢献していたんだけど、仕事を覚えたかった僕は、その趣味に付き添う過程で仕事を教えてもらったんですね。
色んな社内事情の中、仕事の出来不出来はシニアじゃなくて僕ばかりに向かう中で、心が折れそうになった時に、多分、顔に嫌な表情が出てる数週間があったんだんと思うだよね。

 

23時ごろだったと思うんだけど、先に上がったシニアが駐車場から戻って来て、「忘れ物」と言いながら、くれたんですよ。ブックオフで買った中古の本に、家にあったお土産用の袋紙をブックカバーにしてくれたこの1冊を。
1時間後の終電で読みながら帰って、1週間の行き帰りで読み切って、それ以降はひたすらに仕事に打ち込んだのは今でも覚えている。


「あんたがね、この本に出てくる若手社員に似てると思ってね」とか言っちゃってくれてさぁ、若い女が社内にいないんだから似てねーよと思いながらね。

 

本当のことはひとつじゃ無いことはわかってる、でも僕たちは選択肢をひとつしか選べないし、それを答えだと思うしか無い。だからこそ、選んだ答えに矜持を持つ。仕事なんて役割でしか無いけども、でも毎日の仕事ひとつひとつが作品なんだって、それが伝わるような仕事をしたいなぁと思うようになったきっかけの1冊。
以降、マックスで400時間以上の残業もあったけど、辛い時も楽しい時も超えられた気がしている。

 

「残業代?知るか」みたいなテンションでやってたなぁ。

 間違ってるんだけどね、僕の考えは。

 

 

 

流石に今はそんなテンションで仕事はできない。勤めてる会社も嫌いになったし、影響を与えてくれたシニアもいないからね。

 

でも、仕事が人と人の繋がりである以上、当時のことは記憶していたいし、その気持ちはどこかに持っていたいんだよね。情熱は訴えかけるものではなく、滲み出るもの。その大きさは一生懸命さと比例する。でも結果とは比例しない。それが仕事。

 

 

それが仕事。

 

生活のために働いて俺は都会じゃなくて田舎を平らげる。

 

なんだかよくわからん駄文になってしまったけども、オススメの1冊です。

読んでね!